株式会社NTTデータ 「トップダウンとボトムアップの融合がポイント」

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株式会社NTTデータ

人事部 ダイバーシティ推進室

課長代理 堀川 佐渡さん

 

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「成功のポイントはトップダウンとボトムアップの融合と遊び心(楽しさ)。

将来は推進室が必要なくなるのが目標です」

 

2005年に「Global IT Innovator」というグループビジョンを掲げ、3つの宣言の一つとして「ワークスタイル・イノベーション宣言」を盛り込んだNTTデータ。当初は人事部ではなくプロジェクトメンバーとして参画し、今は人事部 ダイバーシティ推進室 課長代理として中心的な存在となり、イクメンとしても活躍中の堀川さんにお話を伺いました。

 

 

――グループビジョン策定に至ったいきさつを教えてくいださい。

 

当社が属しているIT業界、中でもSI(システムインテグレーション)業界というのは、コンピュータやインターネットの飛躍的な進化を横目に40年間ほとんど仕事のやり方が労働集約型から変わっていないと言われていました。また他方では、NTTデータという会社に大企業病的な兆候が見受けられました。

そこで当社自らが変革の先進企業になるというトップの強い信念の元、企業変革の取り組みの第一ステップとして510年先のグループビジョンの策定を行うこととなりました。そして、将来の経営を担うであろう有志の若手マネージャ約30名からの提言をベースに、経営層が策定を行いました。

結果

Global IT Innovator

世界的視野とスケールで、ITを使って社会を変革していく企業。

▲「グローバル・パートナーシップ」宣言

▲「生活者起点」宣言

▲「ワークスタイル・イノベーション」宣言

というグループビジョンが決定し、大々的に公表されました。

 

 

――ビジョンの実際の実行はどのように行われましたか?

 

ビジョンの公表当時は、正直、社員の現状認識との間にギャップがあり、私を含めて戸惑っていたように思えます。

そこで実行のために再度社員からのアイデアを募ろうということになり、ビジョンを実現するための具体的なアクションプランを経営層に提案する社内横断ワーキンググループを立ち上げ、社員なら誰でも参加可能として参加者を募りました。本業の傍ら、20059月から12月までの3ヶ月でプランを取りまとめるというタイトなものでしたが、入社2年目から課長までの約70人の有志社員が参加。8つのグループに分かれて時間外、朝や昼にそれぞれプランを検討し、経営層に対して提案。そして最終的に採用された提案が「女性が働きやすい職場づくり(テレワーク/女性限定コミュニティ)」と「セクショナリズムの打破(社内SNS)」でした。

この流れが有志社員によるワークライフバランス推進のワーキンググループ発足につながり、ボトムアップでの働きかけが制度にまで至った例として外部表彰をいただいたりしました。そしてこれらの流れや外部の経営環境の変化などから、会社としてもワークライフバランスやダイバーシティに組織として取り組むことを決め、20084月にダイバーシティ推進室を人事部内に設置。以後、組織としてダイバーシティ推進のために取り組んでいます。

 

 

――今、当時を振りかえって成功のポイントはどこだとお感じでしょうか?

 

当社の場合は、トップの全面的なバックアップがあったボトムアップが一番のポイントだったと思います。トップは聞くだけが多いと言われる中、社員の声を聞いて、必要なサポートのために動いてくれる事が大きいと思います。トップの全面的な支持を受けたプロジェクトであるという事を当事者のみならず全社に徹底してもらっていたことで、我々も非常に動きやすくなりました。

 

次は、テーマを絞った事もポイントだったと感じます。まずは手を広げすぎずに、3ヶ月くらいで回して結果が出せるものから始めていき、小さな成功を積み重ねて行けたのが良かったと思います。逆に対象層については絞らないことが重要だと感じます。特に推進グループは女性に絞らず男性がいることも重要。また新人から部長まで参加してもらうことで広がりが出ると思います。一番浸透が難しいと言われる中間管理職を参加させるのもポイントだと思います。

 

最後にボトムアップ活動を継続していくための重要なポイントは、「楽しむ」ことです。楽しくないと続きません。楽しく、そして会社や社員の仲間のために成果を出せている活動に関われること、それが大きなモチベーションになっていくと思うのです。

 

 

inter.jpg――今後についてお聞かせください。

 

現在はダイバーシティ推進室という組織として、多様な社員が心身共に皆活き活きとやりがいを持って働き続けられる職場を広げていくことを目標に活動しています。ダイバーシティというと裾野は広いのですが、まずは女性、育児との両立、障がい者といった働きづらさを感じている社員を対象に取り組みを始め、徐々に介護やグローバルといったところまで広げていきたいと考えています。

そのためには、制度はあってもそれを使える風土がないと意味が無いと考えていますので、使える風土をいかに職場へ浸透させるか、そしていかに広げていくかが課題と認識しています。その対応策として、いろんな対象層毎にさまざまな取り組みを行うと同時に、当社だけでなくNTTデータグループ全体で進められるようなグループシナジーを活かせるように考えています。職場のキーマンである部長向けの意識変革研修もその一つです。ディスカッション方式で考えてもらったアクションプランを宣言してもらい、それをイントラネット上で公開しています。その後、職場単位に宣言を実行するためのセッションを部長がファシリテーターとして行なってもらい、その実施率を役員会議で報告しています。

ダイバーシティへの理解度が低い若手層向けには、メルマガに4コマ漫画を載せて興味をまず持ってもらうことから始めたりしています。

それ以外にも、働き方変革の取り組みを積極的に行っている職場を「すごい職場」としてイントラネット上で紹介したり、そのキーマンを集めたパネルディスカッションを社員向けセミナーとして実施したりと、多くの施策を実施しています。

 

 

――今回はいろいろ貴重なお話をありがとうございました。今後のご活躍を祈念しております。

 

 

今回のインタビューを終えて感じたことですが、非常に理想的な形で進められたプロジェクトのように感じます。NTTデータ様は業績の良い段階で将来危機を予知し、対応したものでした。まずは大きな目標として企業変革を掲げ、実際の作業については社員を巻き込み、全員参加型で進めておられました。また着手のしかたも難易度が低く最大の効果を発揮するアクションを選択(テレワーク、SNS)し、またスモールスタートなので結果が見えやすく社内アピールも効果的に行われたと思います。遂行する側(WG)もどうすれば会社や従業員が動くか、結果が出るかを真剣に考えており、立てた目標を確実にクリアーしてきていると思います。またスピード感。これは3カ月を1つの区切りとしており、非常に効果的だと思います。

それから施策を遂行することを楽しむという考え方が非常に重要だと思います。改革は地道で長丁場である事は事実でこの感覚(楽しむ)が継続の秘訣だと思いました。

 

最後に「ダイバーシティが根付いて、推進室が必要なくなることが最終的な目標です。まぁその時、私はどうするかは別の問題ですが(笑)」といった言葉が印象的でした。

 

以上、一つの事例として参考にして頂ければと思います。

 

 

次回はコクヨ様を取り上げます。ITで働き方の見直しを提案するのがNTTデータ様であれば、オフィス環境やオフィス用品を通し、働き方を提案するのがコクヨ様。推進室の赤木さんにお話しを伺いますのでご期待ください。

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プロフィール

ワーク・ライフ・バランスコンサルタント 羽生田 清
ワーク・ライフ・バランス実現に貢献するため、導入支援サイトWLB-is(ウィズ)を立ち上げました。
「優れた個人の力」と「優れた組織」で時代を生き抜く活動の支援をさせて頂きます。