男女共同参画社会づくりに向けての全国会議 Part1
6月22日、内閣府主催の"男女共同参画社会づくりに向けての全国会議"が東京にて開催されました。2部構成で第1部は基調講演で北海道大学 宮本教授、第2部はパネルディスカッションで河野さん(キリンアンドコミュニケーション社長)、成澤さん(文京区長)、山下さん(農業者)とで構成されていました。盛りだくさんなので2回に分けて報告します。
まずは新任の玄葉大臣のスピーチ。多忙な中のようで、会議には少し参加されたあと席をたたれました。今後の手腕に期待したいと思います。因みに前大臣の福島さんからは祝電が送られてきていました。
まずは基調講演。宮本太郎教授のプロフィールです。立命館大学法学部助教授、ストックホルム大学客員研究員、スウェーデン労働生活研究機構客員研究員、立命館大学政策科学部教授を経て、現在は北海道大学大学院法学研究科教授。比較政治学、福祉政策論専攻。
タイトルは「老若男女の参画社会へ 生活保障の新しいデザイン」でした。前半、良く聞く話で占めました。1時間半という長い時間でしたが、途中から政治学者の立場であったり、スウェーデンに詳しいというベースで、データを含めた教授独自の視点からの話となり、とても興味深かったのでお伝えします。
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就労支援・雇用機会平等化の度合い | ||
| 低 | 高 | ||
| 家族支援の度合い | 高 | 家族単位支援型 | 両性支援型 |
| ドイツ | スウェーデン | ||
| 低 | 日本 | 市場志向型 | |
| アメリカ | |||
教授が書かれた"女性支援の3つのパターン"です。女性とありますが、基調講演のタイトルにある老若男女にも当てはまると思いました。
言葉の説明です。家族単位支援とは子ども手当てなど、単位が家族のもの。かたや就労支援とは社会全体に対する支援、雇用機会平等化が字の如くです。教授は、3つのパターンに分けられるとの考え方。まずは両性支援型。スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランドなど北欧諸国。次は市場志向型。アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダなどアングロサクソンの国。最後に家族単位支援型。ドイツ、フランス、オーストリア、オランダ、ベルギー、イタリアなどの大陸ヨーロッパの国と分けていました。日本だけでなくアジア諸国は別枠でした。
成長率、女性労働力、労働市場政策支出/雇用保護法制指標(社会保障)からの分析です。
まずはアメリカ。成長率・女性労働力が高く、社会保障が低いという特徴がある。次にドイツ(今は変わってきているので旧ドイツと言っておられました。)成長率・女性労働力が低く、社会保障が高い。ただ社会保障ですが社会全体でなく家族中心というのが特徴。最後はスウェーデン。成長率がそこそこで、女性労働力が高く、社会保障も高いとなっています。で、日本はと見ると成長率は低く、女性労働力も低く、社会保障も低い(但し、アメリカよりは高い)となり、良いところがなく、最悪って感じでした。
もう1つの分析は、社会的支出(社会保障)、財政収支、ジニ係数(不平等性)、相対的貧困率から。
アメリカ。社会保障が低く、財政収支はそこそこ、不平等性が高く、貧困率が高い。ドイツ。社会保障が高く、財政収支はちょっと悪く、不平等性、貧困率が低い。スウェーデン、社会保障が高く、財政収支が良く、不平等性、貧困率が低いとなっています。日本はというと社会保障が低く、財政収支が最悪、不平等性がアメリカと同等くらい高く、貧困率が高いという結果になっています。
ちょと残念な分析ですが、教授の意図もあるかもしれませんが事実のように思えます。だからといってスウェーデンを真似れば良いのかというと消費税が25%、人口が500万人程度(福岡県と同等)など条件が違うので一概には言えないと思います。ただ社会保障を雇用を軸としていることは参考になるのではと思います。
今までEUやUSなどの例を聞いてきましたが、自分の中ではとてもすっきりさせてくれた表なのでご紹介しました。今回、宮本教授が作られてデータ(表)、ブログの"情報・データ"のカテゴリーにアップしておきます。ご覧頂ければと思います。
くしくも菅総理が「強い財政、強い成長率、強い社会保障」を掲げ、また消費税10%を持ち出し参議院選挙に臨みますが長期ビジョンに立った政治が重要だとつくづく感じた講演でした。また我々はグローバル視点に立った考え方を持つことも必要ではないでしょうか。

