EU諸国+日本 国際会議 が開催 Part1

12日、市ヶ谷のセバンテス文化センターが、ノルウェー大使館、スペイン大使館、オランダ大使館、ドイツのフリードリッヒ・エーベルト財団、日本経済新聞社の共催を受け、女性のエンパワーメントについての国際会議を開催し、出席をしてきました。テーマが女性のエンパワーメントでしたので、少しワーク・ライフ・バランスやダイバーシティと視点が違いますが、参考になる部分が多かったので書かせて頂きます。会議開催のプレス( 0612.pdf

会議は1部から4部まであり、一日中行われたいたのですが興味のある1部、2部のみ参加しました。内容が多く、2回に分けて書かせて頂きます。

まず基本情報。今回の対象となった国のデータです。

  人口 出生率 格付け 消費税
スペイン 45百万人 1.43  AA 16%
ドイツ 82百万円 1.32  AAA 19%
オランダ 16百万人 1.74  AAA 19%
ノルウェー 4.8百万人 1.89  AAA 26%
日本 130百万人 1.27  AA 5%
スペインが意外と人口が多いと言うことと、北欧諸国が人口の少ない国である事を再認識しました。出生率、日本だけでなくドイツ・スペインともに深刻な問題である。あと日本の格付けがスペインと同じというの驚きでした。

第1部は"平等に向けての改革"というテーマ。パネリストにスペイン、日本(鹿嶋敬教授)からは大学教授、オランダからは国会議員、ドイツからは政治学者が参加。またビデオレターという形でスペインの男女平等担当大臣、ノルウェーからは子育て/男女平等担当大臣からのメッセージがありました。

まずはオランダ。位置的な関係もあり、私は北欧的な状況にあるとばかり思っていましたが実情はか なり違っていました。女性の就労率は高いのですが70%がパートタイム。その中の43%が自立できる賃金ではな いとの事です。多くの国民がもっと働きたいと思っているとの事。男女ともに能力を活用し、フルタイムで働ける環境・制度を構築しているとの事でした。そのために定年年齢を65歳から67歳に引き上げたり、学校や保育所の時間を長くするなどの施策を行っているとの事。またシェアーリングやワーク・ライフ・バランスになると思いますが週4日労働やフレキシブルな労働を推進する施策も取っているとの事です。私にとっては意外な状況でした。

次はスペイン。EUの経済危機でも名前がちらほら出てきていますね。実際、景気の問題は深刻のようで全体の60%の人が大学に進学していますが、卒業後就職ができない状況が続き、当事者の若者だけでなく社会全体として大きな問題となっているとの事です。出生率も低くなってきており、"出産はプロフェッショナルキャリアにおいてはマイナスである"との認識があるとの事です。国、政府がダイバーシティを推進し、男女実行平等法を策定しました。男性が育児休暇をとらないと運転免許を発行しないなどの罰則を設けたそうです。国は"すべての人の総力を利用する"との考え方で施策を推進している。との事。

 ドイツ。出生率が低くまた男女差別が広がっているのが事実。国としてはワーク・ライフバランス、ダイバーシティの取組みには積極的である。"ジェンダー インパクト アセスメント(GIA)"という評価システムがある。政策などが実施されば場合、男女平等という視点で社会にどう影響があったかを評価するシステム。たとえば日本でも行われたがエコカー減税。経済効果は絶大であったが、どちらかというと車を運転する人は男性が多く、女性は公共交通機関を使うケースが多いため、GIAの観点からは全体を100とした場合男性については72点、女性については28点でとなり、ジェンダーにとっては良い施策ではないとの判断をするとの事でした。非常にドイツらしい考え方だと感心しました。

ノルウェーのパネラーはいませんでしたが、以前大使館で行われたセミナー(ブログにも書きました。)によると国家のCSRが進んでおり、ワーク・ライフ・バランスも進んでいるようです。

最後に日本。国、政府が施策を打ったり推進をしたりと積極的な動きはあるのですが他の国より対応が遅い傾向にあるとの事です。政府の意思が弱いし、また施策が実行性のあるではなく(鳩山首相政権下)、実行可能なものにして欲しいとの指摘が鹿嶋教授(内閣府男女共同参画会議議員)からありました。また施策推進の為に国会議員は30%が女性とか、入札の条件にジェンダーイコールの会社をポイントを高くするなどのウオータ制の考え方があった方がいいとの指摘もありました。

 

全体としては、経済危機が政策、施策に大きな影響を与えていると感じました。スペインは社会保障費を削減することは出来ないといっており、オランダでは公務員に女性が多く、国家予算が削られると女性の雇用が減る方向に動くとの事。日本の高度成長期の成功体験はダイバーシティという状態ではなく父親が働き母親が家という事だったのも事実で、オランダもそのような機運(経済の発展には古い成功体験に戻るのはしょうがないとの考え)があるとの指摘もありました。ただ、それは間違った考え方で、それを是正するには会社や個人に任せるのではなく国、政府が長期的な視点に立って力を発揮すべきであるとの見解はどの国も一致した考えのように思いました。

2点目はジェンダーの取り上げ方。どの国もダイバーシティやワーク・ライフ・バランスの考えに移行しているように感じました。"平等"、"個人を認める"、"すべての人"、という言葉が多く出てきました。より広く多様性を取られ解決して行こうと言う意思が見れました。"平等な社会こそが生産性が高い社会である"とスペインの大臣は言い切ってきました。

最後にクオータ制。Wikipediaによると"民主主義の帰結として国民構成を反映した政治が行われるよう、国会・地方議会議員候補者など政治家や、国・地方自治体の審議会、公的機関の議員・委員の人数を制度として割り当てることである。また、社会に残る男女の性差別による弊害を解消していくために、積極的に格差を是正して、政策決定の場の男女の比率に偏りが無いようにする仕組みのことでもある。"とある。実際に罰則を設けているところもあるようである。日本ではお上(国)が決め、従わなければ罰則という感じで強制的に推し進める感が私にはありました。ヨーロッパの人の考え方はまるっきり違っていました。オランダではクオータ制をとっておらず、逆に平等を阻害するとの考えもあり、多くの議論を繰り返し決めていくとのプロセスを取るとの事でした。クオータ制や罰則、私は否定をしませんがヨーロッパのような高い次元での実現を可能にしていければなと思います。言われたからやる的な方向ではなく、合意のもとより徹底するためにクオータ制を導入という方向に持っていって欲しいと思います。

長くなりましたが、第2部はPart2で。テーマは"経済における女性の活用"です。

 

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プロフィール

ワーク・ライフ・バランスコンサルタント 羽生田 清
ワーク・ライフ・バランス実現に貢献するため、導入支援サイトWLB-is(ウィズ)を立ち上げました。
「優れた個人の力」と「優れた組織」で時代を生き抜く活動の支援をさせて頂きます。